ステイホームは終わったけれど蜘蛛はいったい何をしているのか
ニュージーランドは今日からアラートレベルが2に引き下げられて、約50日間続いたステイホームが終わった。
まだ人々の行動には制限があるとはいえ、全ての飲食店やビジネスが再開され、人々は街に出て、仕事やショッピングに行くことができるようになった。学校も来週月曜日から再開される。
ステイホームと大きく異なる生活が始まった。
ニュージーランドで暮らしたことがある方ならわかるだろうけど、家の中にたまに蜘蛛がいる。特に夏は多い。蜘蛛はうろうろと歩いているのではなくて、部屋の隅っこに巣を作って、じっとしている。 あるいはガレージに停めてある車の下の方に巣を作る。掃除をするたびに綺麗にはするけれど、次の日にはすぐに、また違うところに巣を作る。
部屋の隅に巣を作った蜘蛛をしばらく放って観察してみると、いつ見てもじっとしている。 巣を作って、自分がその中にいて、餌が引っかかるのをずっと待っている。
これは、ステイホームに他ならない。
蜘蛛は、仕事にも行かずに、勉強しに学校に行くこともなく、エッセンシャルビジネスであるスーパーマーケットにも行かず、友達にも会わず、おそらく家族に会うこともなく、自分が作った家の中でじっとしている。
究極の ステイホームだ。
ニュージーランドは50日間ずっとステイホームだったけれど、今日からレベルが2になって、人間はみんな喜んで外に出て行く。
それに比べて蜘蛛は、レベルが下がってもずーとステイホームだ。
それでいいのだろうか。
ステイホームを経験した私たち人間からみると、蜘蛛は一体毎日何が楽しくて生きているのだろうかと思う。
ずっと一人で、家を作り、その中で餌がかかるのを待っている。オンラインで食べ物をデリバーするわけではないので、いつ食べ物がくるのかわからない。 ネットもないので、 Netflix や Spotify、Google にもアクセスすることもできない。家族で話をするわけでもなく、LINEで友達とチャットをしているようには見えない。一人でずっと家の中で餌がかかるのを待って、ステイホームしている。
蜘蛛は毎日何を考え何を感じて生きているのだろうか。
50日間ステイホームを経験した 人間として、蜘蛛を見て、そんなことを考えた。
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