NZの学校の授業は面白い

今年からニュージーランドの高校で留学を始めた長期留学生と先日話をした。その留学生は「ニュージーランドの学校の授業のほうが、日本の学校よりも面白い」と言った。

彼はYear 9に在籍しているので、まだ日本の中学生の年齢だ。

彼が言うには、「授業では先生が一方的に話をするのではなくて、生徒たちも気軽に発言できる雰囲気で、先生と生徒が双方向の授業なのがとてもいい」とのことだ。また、「問題を解くだけではなくて、ディスカッションがあったりするから楽しい」のだそうだ。

私も何度か高校の授業を見学したことがあるけれど、確かに、授業中生徒が発言する機会も多い。また、問題を解いて正解に導くというような授業ではなくて、生徒同士が話し合ってそこから何かを見つけていくという形式が取られることも多い。

たとえば英語の授業などでは、映画を観て、カメラアングルやセリフなどから、その意味を考えるというものもある。なぜそこでそのカメラアングルなのか?なぜそこでその登場人物はそう言ったのか?を一人ひとりも考えるし、ディスカッションもする。

また数学などでも、学年が上がって統計学などの授業では、問題を読んで計算をして正確な答えを出すだけではなくて、グラフや表などからその意味を読み取って、それをレポート形式で提出するなどという課題もある。

また社会では、たとえばヒトラーについてリーダーシップの観点から論じる、などという課題もあるし、ロシア革命について自分でいろんな資料を探してその原因と結果を明らかにするという課題も出される。

さらにYear 12くらいになってくると、世界で意見が二分されている問題、たとえばアメリカの銃規制や、世界各地で行われている動物実験など、自分で一つ選んで、そのプラス面とマイナス面をリサーチし、最終的に自分はどう考えるのかを論じるというものもある。問題を自分で選ぶところからが評価対象になるし、リサーチした資料の信憑性も問われる。

ニュージーランドの多くの授業や課題では、正しい答えを一つ探し出すことが求められるわけではないから、授業中、あるいは課題をやるときに、ネットでいろいろと調べてもいいし、クラスメイトや先生に相談してもいい。

もちろん、課題はGoogle Document などを使って作成し、学校で使っているGoogle Classroom などのクラウドを使って提出する。

日本の授業に慣れていて、そのほうがわかりやすいし取り組みやすいという人からすると、なかなかハードルの高い授業であり課題だと思う。

けれど、自分でいろいろと考えることが好きだったり、将来ニュージーランドや海外の大学進学を目指している人は、ニュージーランドの学校の授業を受けると楽しいだろうし、将来の役にも立つだろう。

たとえばニュージーランドの高校で3年間~5年間留学して、ずっとこんな授業を受けていたら、きっと日本の中学生や高校生とは違う考え方をするようになるだろうし、世界に対する見方や態度も変わるだろうと思う。

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