ChatGPTが世界を変えるという意味
時代はChatGPTだそうだ。
生成AIの人工知能、ChatGPTが公開されたのが、昨年の2022年11月。わずか半年足らずで世界に広がり、今では10代の人たちもあたりまえのように使っている。
インターネットが出てきた時も、スマホが発表された時も、人々は驚いたし、その後の世界は以前とは全く違うものになった。
そして、生成AIも、インターネットやスマホのように世界を変えるだろうと言われているし、すでに変わろうとしているのは間違いない。
私はChatGPTを使いこなしているわけではないし、AIに詳しいわけではないけれど、最近の情報を眺めていると、インターネットやスマホと、生成AIは、決定的に違うところがあると感じる。
例えば80歳以上の方で、スマホを使っている人は多くはないだろうし、家にインターネットがあってWi-Fiがいつでも使えるというお宅も、若い人たちより少ないだろう。そんな方の家には、テレビがあって、新聞が配達されて、たまに雑誌を買って読む。それでも生きていけるし、ずっとネットにもスマホにも触れない生活が続いても、大きな支障はないだろう。
また、どんな人でも、デジタルデトックスと称して、たまにネットやスマホから離れた生活を「自分で選択」することもできる。
でも、生成AIは違うように思う。
ネットやスマホに自分から触れている時以外でも、ネットやスマホのない場所でも、生成AIでクリエイトされたものを目にするようになってくる。もちろん元のデータはインターネット内から得られたものだけれど、それを使ったコンテンツが、テレビや新聞、雑誌にもあたりまえのように使われる。
テレビでニュースを読むアナウンサーが実は生成AIが作ったものだったり、新聞の記事も人間が書いたのか生成AIが書いたのか判別できなかったり、雑誌の写真や文章、広告も、あたりまえのように、生成AIからできたものになるだろう。
いわば、ネットやスマホは、生活の中に「流れ込んで」来たものだけれど、生成AIは、「溶け込んで」来るもののように感じる。流れ込んできたものは、避けることも可能だけれど、溶け込んできたものは、知らない間にどっぷりと頭まで侵食されている。
黙っていても生成AIが生活の中に溶け込んでくるのであれば、自分から積極的にそれに触れていく人にとってはさらに、もう生活の全てが、そして人生の全てが生成AIになってしまうかもしれない。VRやARなどを使っていく人たちは、もうそれまでの世界とは違うところに行ってしまうのではないか、とも思う。
それがいいことなのか悪いことなのかを議論するのはもう意味がない。これから急激に急速に変わってくる時代を、どう生きるのか。そこが問題だろう。
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