オールブラックスが試合前にやっているハカって？

2019年10月4日 2024年8月5日

UenoT

日本で開催されているラグビーワールドカップ。今までラグビーに興味のなかったたくさんの方も含めて、かなり盛り上がっているようだ。

ニュージーランドの代表、オールブラックス。彼らが試合前に披露するハカについてもかなり話題になっている。

ハカはオールブラックスだけがやるものだと思っているかたもいらっしゃるようだけれど、実はそうではない。

ハカはもともとマオリの人達のもので、ダンスの総称だったようだ。今でもマオリの人達はいろんな場面でハカをする。だからハカの言葉はすべてマオリ語だ。そしてハカをリードするのは、一部の例外を除いて原則としてマオリの血を引いている人に限られる。

例えば、結婚式、授賞式、お葬式などや、その他何かに心を揺さぶられたようなときにも自然発生的にハカが始まる。小中学生や高校生がスポーツの試合に臨むとき、大事な試合に勝ったときなどにもハカをやる。男子だけではなく女子の試合でもやることがある。

そして各学校、各チームにはそれぞれの伝統的なハカがある。

オールブラックスが試合前に行うハカは現在、KA MATE （カマテ）とKAPA O PANGO（カパオパンゴ）の二種類ある。Ka Mateをやることが多いけれど、重要な試合ではKapa O Pango を選ぶこともある。RWC2019 のオールブラックスの初戦、南アフリカ戦ではKapa O Pangoをやった。見ている人達は、「今日のハカはKapa O Pangoだ。選手達はきっとこの試合を大事な一戦と考えているんだろう」などと思う。

Ka Mate はマオリの人達の古い物語から来ていて、Ka Mate というのは「It is death（それは死だ）」の意味だ。

ちなみにKapa O Pangoができたのはそれほど古くはなく、2005年８月２７日のトライネーションズでオールブラックスがスプリングボクスと対戦する前に初めて披露された。Kapa O Pangoの、Kapaは「チーム」、Pangoは「黒」の意味で、まさしくAll Blacks を表している。

これからオールブラックスの試合を観戦される方は、試合内容ももちろんだけれど、どのハカをやるのか、リードは誰がするのか、などにも注目すると面白いと思う。

ハカの動画をキックオフNZ のアーカイブの中から集めました。

オールブラックスの選手達がロトルアボーイズハイスクールを訪問。最後に生徒達が迫力のハカを送った。（2014年８月）