留学に来る時は、目的をはっきりと決めたほうがいいと思う

留学やワーホリに来る時、目的をはっきりと決めたほうがいいと思う。少なくとも、留学やワーホリに来る前に、何のために留学するのか、ワーホリが終わったらそれをどう生かすのか、を自分なりに深く考えるだけでも意味のあることだと思う。日本を離れる前に、これから経験することが自分の将来にどんな影響を与えるのか、どういうふうに影響を与えたいのかを考えることで、
留学中やワーホリ期間中の行動や判断も変わってくると思うし、つらいことがあったとき、もうやめたいと思ったときなどに、大きな力になると思う。

しかし、留学やワーホリが始まってから、今のこの経験は将来こんなふうに自分の人生で生かされる、とか、今はしんどい経験をしているけれども、これが日本に帰ってからきっと役に立つ、とかばかり考えていると、ふと、逆に、「ほんとうに将来役に立つのだろうか」とか、「いったい今、自分は何のためにこんなことをしているのだろうか」とか考えてしまう瞬間が現れる。留学を始めたころや、波に乗っているとき、エネルギーがみなぎっているときはいいけれど、ちょっと疲れた時や、他の道があることを知った時、計画変更を余儀なくされた時など、留学前の目的が意味のないものに思えたり、こんなことをしていていいのだろうか、と感じることがある。

留学やワーホリに来る時、目的をはっきりと決めたほうがいいと思う。今のこの経験は将来こんなふうに自分の人生で生かされる、とか、今はしんどい経験をしているけれどもこれが日本に帰ってからきっと役に立つ、とかいうことは事実だし、そう考えることでしんどい局面を乗り切れることも多い。

しかし、そればかりではなく、今のこの経験自体に目を向けてみるのもいいのではないかと思う。この経験が自分の将来にどう影響するのかというのではなく、今のこの経験自体を楽しんでみる。何かを経験するために留学やワーホリにに来たのなら、経験することだけで満足してみる。今日は学校でこんな新しいことを学んだとか、今日は仕事先で効率よく動くことができたとか、今日は初めて出会った人と会話が弾んだとか、そういう経験ができてよかった。そういうことをして楽しかった、で完結してもいいのではないか。その経験が将来役に立つかどうかは、将来に任せて、今は今の経験を舌の上でじっくりと味わうだけでもいい。飲み込んだ経験が血となるのか肉となるのか、それともそのまま出てしまうのかまでは考えなくてもいい。

シニアの留学生などは、目的を持ちながらも今の経験を楽しんでいる方が多いように思う。ニュージーランドの語学学校で英語を勉強して、日本に帰ってからネイティブの人ともっと話をしたいという目的を持ちながら、今日の学校の授業やホームステイでの生活、アクティビティや小旅行などを思い切り楽しんでいる。

バランスが大切、というと簡単だけれど、すでに日本を離れて留学やワーホリを「経験」している時、今日は今日の経験を楽しむことでOKだ、という日を作ってみてもいいのではないかと思う。

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