ロックダウン中のラグビートレーニング
新型コロナウイルスの感染拡大で、ニュージーランドは全国でロックダウン中だ。
それにともない、学校の秋休みが今日4月14日までに前倒しされ、明日から第二学期が始まる。まだロックダウン中なので、授業はGoogle Classroom などを使ったオンライン授業だ。
ラグビー王国ニュージーランドでは、高校生は毎年3月ぐらいからプレシーズンが始まり、4月末頃の2学期の第1週目から全国で大会がスタートする。だから例年は、 3月から4月にかけては、各高校でチーム編成をして、大会に向けて準備を進める時期だ。
ところが今年は全国でロックダウンが行われ、誰もが家から一歩も出られない。だから当然、高校生のラグビーのチーム練習もすることができない。
でも、さすがラグビー王国ニュージーランド。ロックダウンだからといって、だまってじっとしているわけではない。
たとえばロトルアボーイズハイスクールの1st XV(1軍)の選手達は、毎日コーチからオンラインでトレーニングメニューが出され、そのメニューを各自が家でこなし、その動画を各選手が携帯電話で撮影して、Facebook の非公開のグループに各自でアップロードする。それをコーチが毎回チェックをして、アドバイスする。
このトレーニングメニューは、ロックダウン直後から始まり、2週間の秋休み中も継続された。
例年はイースターホリデー期間中は練習もないけれど、今年はイースターサンデーを除きコーチからトレーニングメニューが出され、選手達は家でそのメニューをこなし、動画に撮って、Facebook を通じてコーチに提出していた。
ロトルアボーイズハイスクールにはラグビーアカデミーという授業があり、日本からの留学生達も参加している。そして今回は、ロックダウン中のこの1軍のオンライントレーニングに、日本からの留学生達も参加して、毎日トレーニングをこなし動画で撮影して、毎日コーチにみてもらっている。
1回のトレーニングをこなすのは30分から1時間程度だ。けれど、学校も休みで、家から一歩も出られない状況の中、毎日コーチが出してくれるトレーニングメニューをこなし、その姿を動画に撮ってコーチに見てもらい、フィードバックをもらうことができるのは、さすがラグビー王国だ。
私も留学生達が撮ったトレーニング動画を見せてもらう機会があったけれど、みんな真面目に、自分で時間をマネージメントして、コツコツと毎日コーチから出されたトレーニングメニューをこなしている。
新型コロナウイルスの感染拡大で急にロックダウンが行われ、それがいつ解除されるかわからない状況下で、気持ちを切らずに、モチベーションを保ちながらトレーニングを続けていくのは、特に若い選手達にはかなり難しい。
でも、コーチが毎日トレーニングメニューをオンラインで出してくれて、それをきちんとこなしている姿を動画に撮ったものをコーチが見てくれる。
こういうやりとりをすることで、中学生高校生の年齢でも、モチベーションを保ち続けたまま、ハイレベルのトレーニングを続けていくことができる。
もしかするともうあと少しでロックダウンが解除され、学校が始まり、ラグビーの大会も例年より少し遅れて始まるかもしれない。その時に、ロックダウン期間中にきちんとトレーニングをしていたかどうかが効いてくる。
もちろんラグビー以外でも、Google Classroom を使って全ての高校の授業は、きちんと行われる。
こういう状況下でも、ラグビーを含めて、国が子ども達から学ぶ機会を奪わないという強い姿勢が、ニュージーランドでは感じられる。
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