光陰矢のごとしの理由

つい先日2012年になったばかりなのに、もう2月15日だ。今年もすでに2割が過ぎてしまった。早い。

それを周りの人に言うと、「本当に早く感じる」とみんなが口をそろえて言う。昔から、光陰矢のごとし、というけれど、時間の経つのは本当に早い。

そしてたまに、いつもよりもこの1ヶ月間は特に早かった、などと感じる期間がある。それは、すごく忙しかった期間とか、何かに集中していた期間とかが多いが、普段と何も変わらない生活をしているにもかかわらず、特にここ最近時間が経つのが早い、と感じることがある。そしてそんな時周りの人に聞いてみると、みんなやっぱり早い、と言う。

何故だろう。いろいろと、本当にいろいろと、その理由を考えた。

その一つは、地球がいつもよりも例えば40%くらい速く自転して、それに伴って公転速度も40%速くなり、その上何らかの作用で世界中の全ての時計も40%速く進んだ、という理由だ。いわば、動画の早送りみたいな現象が実際に起こったということだ。これなら、実際は14時間しか経っていないのに地球も時計も24時間分進むので、人間の感覚としては、かなり時が経つのが早く感じるだろう。

もう一つは、世界中の人が一人残らず1時間ごとに5分ずつ同時にブラックアウトして、その時間の記憶がない、という理由だ。1日は24時間だが、人々の記憶には5分×24回分=120分間の記憶が抜けていることになる。動画を編集して部分部分をカットしたようなものだ。これなら、20時間で、あれっ、もう1日経ったのか、という感覚になって、みんな時が早く経つように感じるだろう。

さらに一つ考えるとすれば、自分ひとりだけ、周りと異なる時間軸に何かの拍子に移動してしまい、元の世界とは違う、遅い時間の流れを生きている、という理由だ。例えば、1日30時間の流れの世界に一人だけ生きていて、でも空間は1日24時間の世界と共有している場合だ。1日24時間の世界の1日が終わったときはまだ、自分の時間の流れの世界で20%ほど1日が残っているけれど空間上は1日が経ったことになっているので、時間が早く感じる。言わば、速度の違う2つのベルトコンベヤーの遅いほうに乗ってもう一方の世界を眺めているようなものだ。

でも、本当の理由は、こんなくだらないことを真剣に考えているからあっというまに時間が経ってしまう、というのが、私にとっては最も正しい理由なのだろう。

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