ちょっと変わっているという子ども達こそ
今、日本の国立新美術館で、「草間彌生 わが永遠の魂」が開催されている。
草間彌生は、日本だけではなくもちろん世界で認められた芸術家で、ニュージーランドのウエリントンにある国立博物館Te Papaでも何年か前に展覧会が開かれていた。調べてみると、ニュージーランドの小学生を対象とした課外授業にも草間彌生のアートが取り入れられていたようだ。また、日本のベネッセの通信教育こどもちゃれんじの教材などにも、草間彌生のアートが掲載されていたと記憶している。
この人のBiography などを眺めてみるとかなり個性的だし、個性的という言葉では表現できないくらい、簡単に言えば「変わった人」だ。16歳の時には第一回全信州美術展覧会で入選し、23歳の時には2度目の個展も開いているけれど、まだ芸術界でも評価を得ていない小中高校生の時には、周囲の子ども達の中ではかなり「浮いた」存在だったのではないだろうか。でも、28歳の時に渡米した後、1960年代には「前衛の女王」の異名を取るまでになる。
自分が小学生や中学生の頃、「ちょっと変わってるなぁ」と感じる同級生も何人かいた。その人達は今頃どこで何をしているのだろうか、などと考えていると、ひょっとしたら彼ら彼女らも、それぞれの個性を活かして世界で活躍しているのかもしれないと思う。
もしそうであるなら、今、小学校や中学校、高校で、「この子ちょっと変わっている」と言われているような人達も、その個性をそのまま活かして進んでいけば、いずれは世界中で認められる存在になるかもしれない。
授業中ノートに何かを懸命に描いていたり、家に帰ってもずっと何かを考えていたり、人と違うことに興味を持ったり、周囲の人達と同じことをするのが苦手だったり、「この子ちょっと変わっている」という子ども達。
そんな人達には、「手を止めて授業に集中しなさい」とか「家では宿題をきちんとしなさい」とか「みんなと同じことをしなさい」などと親や先生達が言わずに、やりたいようにさせてやるのもいいのかもしれない。周囲の大人達が、「みんなと同じ」ようにさせることで、彼ら彼女らの個性が失われてしまうのかもしれない。
みんなと違う「この子ちょっと変わっている」という子ども達こそ、その個性を伸ばしていけば、世界で活躍できる可能性があるのではないだろうか。
明日3月22日は草間彌生の88歳の誕生日だ。
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