ホームステイ

日本からの留学生の多くは、ホームステイをする。ワーキングホリデーの人などはフラットシェアをしたりバックパッカーズホステルでエクスチェンジをしたりする人もいるし、長期の親子留学の方は自分で家を借りたりもするが、高校生留学生などは、寮に入るかホームステイをするか、どちらかだ。

だから、ホームステイ先がどんな家族かということは、留学生にとっては非常に重要なポイントだ。留学生が学校で過ごす時間は1日のうち約7時間。それに対してホームステイで過ごす時間は、睡眠時間6時間を除いても最低9時間はある。それに週末も加わるから、留学期間中にホームステイファミリーと接する時間は、学校にいる時間よりもはるかに多い。

留学に来る前は、ステイ先がどんな家族か、期待と不安で一杯だ。そして、留学生みんながステイ先とうまく楽しく生活していくことを期待して、ニュージーランドにやってくる。

ニュージーランドには留学生に対して、「留学生の生活保障に関する服務規程(Code of Practice for the Pastoral Care of International Students)」というものが定められていて、その中で、ホームステイについても厳しい基準と規則が設けられている。その中には例えば以下のような項目がある。

○ ホームステイ先の住居と世話人(※ホストファミリーのこと)を選定・監督するにあたり、以下に限定されることなく、それらを含む、加盟者または宿泊先斡旋業者(※主にホームステイを管理する学校のこと)が従う厳正な手続き方法を設定する。

A ホームステイ先が寄宿施設ではないかどうかの判断
B ホームステイ先世話人の適正審査
C 居住施設の現状視察
D ホームステイ先の世話人が身体的、精神的に安全な環境を提供できるかどうかの判断

○ ホームステイ先の世話人が留学生へ良質な居住サービスを提供できるようにするため、加盟者またはその宿泊先斡旋業者は、ホームステイ先の世話人へのサポート基盤を構築し、最適なホームステイを実践する方法に関する情報とアドバイスを提供する。

○ 18歳未満の学生に関しては、ホームステイ先が適切かどうかを確認するため、少なくとも四半期に1回面談を持つ。

○ 加盟者またはその宿泊先斡旋業者は、18 歳未満の学生を世話するホームステイ先を少なくとも年2 回は訪問し、宿泊先が適しているかどうかを確認する。また、その適正が疑われ始めたホームステイ先は、追跡調査のために再度訪問する。

○ 18歳未満の学生の宿泊先を認可するに当たり、加盟者は以下の手続きを取る。

A 他の留学生を除く、ホームステイ先に居住する18 歳以上の全成人について警察による人物調査を行なう。
B 現在の寄宿施設あるいは予定されている寄宿施設で定期的に働く従業員や請負業者について、警察による人物調査が行なわれるよう適切な手続き方法を設ける。
C 加盟者が適切と判断した、あるいは加盟者の方針と適合する場合には、指定世話人や監督者、および/または一時宿泊施設の従業員に関しても警察による人物調査を行なう。

これを見れば、ニュージーランドで留学生を受け入れるホームステイが、特に高校留学生に対していかに厳しく管理されているかがわかる。さらにキックオフNZ では、ロトルアの留学生に会いにホームステイに行ったときに、ホストファミリーとも話をするし、家の中もしっかりと見せてもらう。

だから、ほとんどの留学生はホームステイでの生活には満足している。

けれど、今までに会ったことのない人の家で、しかも、異なった文化を持つ、言葉もほとんど通じない家族とともに、1日に9時間も一緒に過ごすのだから、理解し合えないことや、誤解、行き違いなどが必ず出てくる。

考えてみれば、血を分けた家族で一緒に暮らしていても、お互いを完全に理解して、いつも楽しく暮らしているかといえば、全くそんなことはない。言葉も通じて、生まれた時から一緒に暮らしている親子でさえ、理解し合えないことや、誤解、行き違いもある。異国のホームステイファミリーとならなおさらだ。

でも、理解し合えないことや、誤解、行き違いがあったとしても、その問題が小さなうちに、話をして、理解しあおうとお互いが努力すれば、留学生とホストファミリーの関係がより一層深くなる。小さなことでも、何かあれっと思ったときは、すぐに必ずコミュニケーションをとることが大切だ。留学生自身でコミュニケーションをとることが難しい場合は、学校や我々エージェントを通して、ホストファミリーと話をすることもできる。

実は、小さな問題が起こったときにすぐにコミュニケーションをとる、ということは、非常に重要なことだ。このコミュニケーションによって、ホストファミリーとの絆も強くなり、留学生も何かを学ぶこともできる。それが、結果的には、長い留学生活が楽しく充実したものになる、大きな一つの要因でもある。

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