「何が正しいのか」だけを基準にするのではなく

判断や決断をする時、「何が正しいのか」を考えるだろう。

判断の基準は、正しいか正しくないかだ。

例えば、留学しようか考えている時、留学するという判断は正しいのだろうか、と考える。そして正しいという結論になれば留学を前向きに考えるし、正しくないという結論になれば留学をあきらめる。

また例えば、就職する時、この会社に入ることは正しいのだろうか、と考える。正しいと思えばその会社に入るし、そうでなければ他をあたる。

そして正しいか正しくないかを考える時、ほとんどの場合、自分の外にある条件を引っ張ってくる。

留学を考える時には、留学中にできること、留学した結果得られること、留学した場合としない場合の比較などだし、就職の場合は、給料、福利厚生、会社の安定性や将来性などの情報を集めて、そこに進んで行くのが正しいのかどうかを考える。

とても大切なことだと思うし、必要なスキルだとも思う。

けれど、正しいか正しくないかなど、実際にはその時に正確にはわからない。

留学中にできると考えたことが実際に全てできるわけではないし、もっと他にできることが出てくるかもしれない。結果得られることなど留学してみないとわからないことも多いし、体は一つしかないので留学しなかった場合と実際に比較などできない。

就職先の給料や福利厚生、会社の安定性や将来性など、10年後には全く変わっているかもしれない。バブル絶頂期の就職人気企業の中で、10年後にはなくなっていた会社もあるし、今となっては人気ランキングに入っていない会社も多い。

だから、何かを判断する時決断するときには、「何が正しいのか」という基準だけでは足りないだろう。

もう一つ大切な基準があるとすれば、それはその人自身「何がやりたいのか」だと思う。

留学しようか考えている時、自分は留学して何がやりたいのか、留学すればそれができるのか。就職の時でも、自分は働いて何がやりたいのか、その会社で自分のやりたいことができるのか、という基準を持って来る。

何がやりたいのかを基準にして判断、決断したことは、たとえ10年後に思わぬ状況になっていたとしても、そこから行動や判断を修正できるし、自分がやりたかったことを少しでもできていれば、また次に行くこともできる。

そして何よりも、その時の自分の判断を後悔しない。やりたいことをやったのだから。

正しいかどうかを判断基準にすることももちろん大切だけれど、自分は何がやりたいのかをまず考えて、それを基準にすることも大切だと思う。

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