チキンと勇気

英語でChicken と言えば、勇気のない人とか臆病者という意味に使われることがある。「あいつはチキンだ」と言うと、誉め言葉ではなく「だめなやつだ」という使われ方をする。

確かに、ここぞというところでくじけてしまって、一歩前に出ることができないとうまく行かないことも多いし、勇気を振り絞って決断し前進することもとても大切だ。

でも、一見「チキン」のように見える行動が、実は勇気を振り絞った決断だったりしたときでも、周囲の人たちは目に見える行動や結果だけで、人を「チキン」と非難する。

だから、チキンであるかどうかは、その人の目に見える行動だけを見ていてもわからない。たとえば、リーダーとして勇気ある決断が結果として前進ではなく「後退」であることもあるし、何ものも恐れないことが勇気を持った行動につながるとも限らない。

若い人たちがチキンレースをするのが映画などにもよく出てくるけれど、危険を省みずに最後まで走り続ける人よりも、ぎりぎりのところでブレーキを踏む人の方が、よっぽど勇気を持っていると思う。言い換えると、本当に恐ろしいものは何かということを知っている人は、本当に強いし本当の意味で勇気を持った決断ができる。

そして、本当に恐ろしいものは何かを知るためには、実際に本当に恐ろしいものと対峙する経験が必要だ。だから、言い換えれば、いろんな経験をした人は、本当に恐ろしいものは何かを知っていて、本当の強さを持っていて、本当の意味で勇気を持った決断ができるのだと思う。

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