ネットでたくさんの情報に触れれば触れるほど、知らないことが増えていく
日本でも、最近あまりテレビを見なくなったとおっしゃる方も多いだろう。
You Tube で動画を見たり、Netflix やHulu、アマゾンビデオなどをいつも見ている人は、オンデマンドでいつでもどこでも見たい動画が見られる。だから、決められた時間にテレビの前に座って放送されている番組を見る、というのが、とてつもなく面倒くさく感じると思う。
動画もそうだし、音楽も、ニュースも、その他の文字での情報も、基本はネットで自分で選んで見る時代になっている。だから、例えばテレビ番組や新聞、雑誌のように、誰かがどこかから送ってきた情報を受け身で受け取るという習慣自体がなくなってきている。
では今は、ネットにある動画や音楽、文字での情報を、自分から能動的に選んで得ているのかと言えば、そうでもないように思う。
私自身もそうだけれど、いつも見る動画のチャンネル、いつも聞く音楽、いつも読むニュースやブログなどは、ほとんど決まっていて、例えばこの一ヶ月で全く新しいジャンルやチャンネル、ニュースサイトやブログを読んだ記憶はほとんどない。
だから、テレビ番組や新聞、雑誌、あるいはラジオの音楽を聴いていた時に比べると、今は触れている情報がものすごく狭い。自分で選んで情報を得ている、と言えば聞こえはいいけれど、自分の好みの情報以外は全く触れることがない、というのが実情だ。
自分好みの偏った情報に毎日毎日触れていると、おそらく考え方や感じ方、興味のあることなども、偏ってくるだろう。でも、自分で積極的に選んだ情報を得ていると思っていると、自分自身が狭い世界で生きていることにさえ気付かなくなる。
ネットで見ているのはいわば、自分だけに適正化された情報だ。だから、以前よりも触れる情報量は多くなったけれど、それ故に、知らないことがどんどん増えているように思う。
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