情報よりもまず動く

私がニュージーランドに移住した20年前は、まだインターネットはほとんど普及していなかった。

日本でニュージーランドの情報を得ようと思ったら、本を買って読むか、旅行社などニュージーランドの情報を持っていそうな企業にコンタクトをするか、ニュージーランド大使館で情報をもらうか、ニュージーランドのことを知っている人を探して聞くか。そんな選択肢しかなかった。

できるだけの情報を集めても、海外移住という大きな決断をするには十分な情報を得ることはできなかった。

でも、ニュージーランドで暮らしてみたかった。何があるのか、何が起こるのか、できるかどうか、何もわからなかった。そしていくら集めようと思っても情報も無かった。

だから、動いてみた。動きながら考えた。考えながら情報を集めた。そしてまた動いてみた。

結果、なんとかうまくいった。いろんな人に助けてもらったし、運もよかった。この20年を振り返ってみると、目隠しをしながら綱渡りをしていたような時もあった。

でも今、ニュージーランドで20年間、自分でビジネスをしながら、家族で暮らしている。

大きな決断をする時に、情報が無かったのが良かったのかもしれない、と思うことがある。

海外移住に限らず、留学でも、転職でも、起業でも、結婚でもなんでもそうだけれど、情報を集めれば集めるほど、その困難さが見えてきたり、怖くなったり、どうしていいかわからなくなったりする。

そして動けなくなって、あきらめてしまう。

今は、インターネットでほとんどどんな情報でも集めることができる。でも、大きな決断をする時に、情報が多すぎても、決断できないし、動けない。

だったら、情報収集はある程度にしておいて、このタイミングだと感じたときに、とりあえず動き出すのも一つの方法だ。

十分な情報が集まるまで決断しないという人は、言い換えれば、決断を先延ばししていることになるし、ベストのタイミングをのがすことになる。そして結局動けずにあきらめてしまう。

情報ばかりにとらわれずに、まずは動いてみる。人生、そんなことがあってもいいかもしれない。

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