今更聞けない、にならないように

1月末から長期の高校留学生達が続々とニュージーランドに到着している。そして、今日も明日もまた、日本から高校留学生が到着する。

今年は特に、弊社ではたくさんの新しい長期留学生が留学をスタートさせる。彼ら、彼女らは、期待と不安が混じった気持ちでステイ先に到着し、いろんなことがよくわからないままに新しい生活をスタートさせる。

彼ら彼女らには、「できるだけ現地の学生と一緒にいて、ステイ先の人達とコミュニケーションを取るように」とアドバイスをする。ここ2~3年は、ほとんど全ての学生がネットに接続できるディバイスを日本から持ってくるようになってきて、到着してセットアップさえすれば、いつでもどこでも日本語の情報が手に入り、日本の家族や友達と連絡が取れる。でも、ずっと日本語のサイトを眺めていたり、日本の家族や友達とやりとりをしているのは、せっかく留学に来た意味が半減する。

一日24時間しかないのだから、できるだけの時間を、現地の人達とコミュニケーションをとる時間に充てるのがいい。そうすることで、英語力が伸びるのはもちろんのこと、生活に慣れるのも早いだろうし、異文化の中でいろんな経験をすることで、日本ではできないような成長の仕方をする。

留学をスタートさせてすぐに、現地の人達とコミュニケーションを取る時に気をつけることはいくつかあるけれど、やはり一番大切なことは、「わからないのにわかったようなふりをしない」ということだろう。英語ができないとどうしても、どんな質問にも「Yes,Yes」とニコニコして答えてしまうけれど、気がつけば自分一人だけ何も理解していない、という状況に陥ることがある。そんな切羽詰まった状況になって初めて、「今自分はどうすればいいの?」「これ、今、どうなってるの?」と周囲の人達に聞くのも一つの経験だろう。でも、ずっとそればかりでは成長しない。

そして中には、2ヶ月経っても、3ヶ月経ってもずっと、Yes, Yesとニコニコし続けている人もいるけれど、それだけ時間が経ってしまうと、状況は複雑になってくる。

日本から留学に来てすぐの学生には、周囲の人達も、「この人は何もわからないのだから」という態度で接してくれるけれど、2ヶ月、3ヶ月経つと、もうそんなわけにはいかない。どちらかと言えば、ある程度のことはもうわかっているはずだ、と周囲は理解する。でも、留学してからずっと、Yes, Yesとニコニコして、わからないのにわかったようなふりをしていたら、もう基本的な質問をすることができない。

だから、留学を初めてすぐの頃に、思い切ってわからないことはわからない、とはっきりと言って、いろんなことを周囲の人達に聞くことが大切だ。中には「そんなこともわからないのか」と笑う人もいるかもしれないけれど、笑われたってかまわない。異国の地で新しい生活をスタートさせたばかりなのだから、何もわからなくて当然だ。それを笑うほうがおかしい。そして、ニュージーランドの人達は、留学生が自分から真剣に質問をすれば、誰かは必ず教えてくれる。そして、一所懸命に質問をして、いろんなことを覚えようとしている態度は、周囲の人達は必ず受け入れて認めてくれるだろう。

後になって「今更聞けない」状態にならないように、留学をスタートさせた時に、思い切っていろいろと聞いてみるのがいい。

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