TOEICは必要か

長期の高校留学生達には、毎年この時期全員にゴールセッティングをしてもらっている。

高校留学生の中には、卒業後に日本の大学への進学を希望している学生もいるし、ニュージーランドに残ってポリテクや大学に進学を希望している学生もいる。また、ラグビー高校留学生の中には、高校生の間に、U16やU18の地域代表などに選ばれ、卒業時にはできれば何とかプロ契約してプロとしてプレーしたいと考えている学生もいる。

Year 9やYear 10などまだ日本の中学生の年齢の留学生達にも、将来の大きな夢とともに卒業後の進路についても考えてもらっているのは、希望の進路によって高校留学中にやるべきことがやはり違ってくるからだ。

例えば、ニュージーランドに残ることも視野に入れるのであれば、ニュージーランドの大学やポリテクに進学できるような単位の取り方をしていく必要が出てくる。一番いいのは、ニュージーランドの高校でUniversity Entrance (UE)と呼ばれる、大学入学に求められる最低基準の単位を取得することだ。この単位が卒業時に取れていれば、ニュージーランドの大学やポリテクに進学できる可能性は、一部の大学・学部を除きかなり高くなる。

もちろん、UEを取ることができなくても、進学できる大学・ポリテク・学部もあるけれど、選択肢は少し狭くなるし、ファウンデーションコースなどへの入学が求められる場合もあるので、留学期間が長くなることも考えられる。

一方、日本の大学や専門学校への進学を考えている人は、それぞれの受験資格に合うような単位取得が求められる。日本の大学でも、ニュージーランドの高校のUEが求められる場合もあるし、NCEAのLevel 3 を取得していればいい大学・学部もある。また、ニュージーランドの高校に2年間以上留学していれば、取得単位に関係なく帰国子女入試に出願できる、というところもある。

そして、日本の大学の帰国子女入試やAO入試では、英語力の証明も求められる大学・学部も多い。そしてその英語力は、ほとんどがTOEICのポイントを基準としている。

だから、帰国子女入試やAO入試で日本の大学に出願を考える人は、高校留学中にTOEICである程度のポイント取得を目指す。

しかし、ニュージーランドの大学やポリテクで求められる英語力の基準証明には、このTOEICのポイントは使えない。大学やポリテクは、IELTSやTOEFLは英語力の証明として採用されるけれど、いくら高得点でもTOEIC自体が証明として使えないことになっているのだ。

だから、最初から日本の大学に進学を考えていない留学生は、TOEICを受験する必要はないことになる。

長期の高校留学生でニュージーランドでの高校を卒業することを目指している人は、高校の単位取得はもちろんのこと、例えば、TOEICを受験するのか、IELTSなのかTOEFLなのか、そんな細かいところも、きちんと考えて、計画を立てて勉強していく必要があるのだ。

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