留学のイメージはロジカルに

留学に来る前には、留学生自身もご家族も、留学生活に対していろんなイメージがどんどんわいてくるだろう。

不安も大きいだろうけれど、期待も膨らむ。こんな人と出会えるのではないだろうかとか、こんなことがあるのではないだろうかとか、英語がペラペラになっている自分とか、現地の友達と一緒に楽しく遊んでいる姿とか。そんなイメージを頭に描くだろう。

それはとてもいいことだし、留学に来る前にいろんないいイメージを頭に描いてくることはとても大切だ。

でも、イメージを膨らませるときには、期待とか不安とかいう感情だけではなく、たまにはロジカルに考えてみてもいいと思う。

例えば、小さな子どものいるご家庭にホームステイをする時、子ども好きの留学生なら、ステイ先の子ども達と一緒に広い庭で遊んだり、家の中でボードゲームをしたり、楽しく食事をしたりする場面をイメージするかもしれない。けれど、ロジカルに考えると、小さな子どものいるご家庭は、ご両親も若い場合が多く、収入も多くないだろうから、ご両親とも働いているだろう。そうなると、夕食は誰がいつ作るのか、仕事から帰ってきてからお父さんやお母さんが買い物に行ったり食事を作ったりするのなら、子どもの面倒は誰が見ているのか。

あるいは、マオリ語が公用語だから、マオリ語を学ぼうと思って留学に来る時、マオリの人達と習ったばかりのマオリ語で会話をしていることをイメージするかもしれないけれど、実際には公用語とはいえマオリ語で生活をしている人達はごくわずかで、日常的にはどこに行っても英語での生活だ。

また、オークランドは都会だから、学校帰りに夜まで友達と遊んで、町で夕食を一緒に食べてホームステイ先に帰る、そんな生活もイメージできるかもしれない。でも実際には、町が夜遅くまで遊べる状態でも、6時から始まるホームステイの夕食には必ず戻ってくるルールを守らないといけないだろうし、週末はホストファミリーと過ごす時間も必要だから、毎週末友達や一人で町に出かけることはできないだろう。もし頻繁に夜まで出かけたり、毎週末家にいなければ、ホストファミリーとの関係も変わってくるだろう。

楽しいイメージを膨らませることはとても大切だ。モチベーションも上がる。でも、ある状況を想定する場合、ロジカルに考えるとこうなるだろう、ということも、あわせて考える必要もあると思う。

そうすることで、「こんなはずではなかった!」とか「想像と違う!」というショックを受けることも少なくなるかもしれない。

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