傘を忘れないようには必要か?

弊社の中学高校留学生には、自分で考える態度を身に付けてほしいと願っている。だからできるだけ自分で考える態度が身につくようなサポートをしている。

ニュージーランドでは、小さい子どもでも、「あなたはどうしたいのですか?」と聞かれる。そして「わたしはこうしたい」と言うと、その考え、その希望をもとに周囲の人達が動く。

だから、中学高校生くらいになってくると、自分のことは自分で考えて、判断して、行動する現地の生徒達も多い。もちろん、その考え、判断、行動が正しくないと先生や親に言われることもあるけれど、まず最初は子ども達自身が考えて、行動する。

先日日本のテレビで天気予報を見ていたら、最後に「明日は傘を持ってお出かけください」と言っていた。また、次の日は、「午後から回復しますので、夜お帰りのときには、傘のお忘れ物などないようにご注意ください」とも言っていた。

ニュージーランドで暮らしている私にとっては、少し違和感があった。

確かに、すごく親切だし、その一言で助かった、と思う人もいるかもしれない。

でも、明日傘を持っていくかどうかを決めるのは、個人個人それぞれだ。小雨なら傘などいらないと思う人もいるだろうし、大切な服を着ていくので少しでも雨なら傘を持っていく、という人もいるだろう。また、傘は面倒くさいので雨が降ったらコンビニで買えばいいという人もいるだろうし、私は傘はささない主義だ、という人もいるかもしれない。

また、朝、雨が降っていて夜にやんだとき、「そう言えば昨日の天気予報で、傘を忘れないようにと言っていたなぁ」と思い出す人がいるのだろうか?昨日の天気予報で言っていた一言を、次の日の夜に思い出すような人は、目の前の傘を忘れたりしないだろう。持っている傘を忘れるような人は、天気予報士が昨日の晩に番組の最後に言っていた一言など思い出しもしないだろう。

天気予報で、なぜ「傘を忘れないように」などと言うのだろうか。自分で考えて、自分で判断して、自分で行動することが基本のニュージーランドで暮らしていると、少し違和感がある。

でもまあそもそも、そんな一言聞いてない、という人も多いのかもしれない。

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