パードン?
ニュージーランドで暮らし始めたころは、英語でコミュニケーションがであまりきなかった。
みなさんそうかもしれないけれど、英語でコミュニケーションがあまりできないときは、自信を持って英語で話すことがなかなかできない。だから、英語で話すときに声が小さくなったり、語尾が消えてしまったり、あわてたようなしゃべり方になったり、いかにも自信ないですというような話し方になったりする。
中でも、こちらが英語でニュージーランドの人に話しかけた時に、「Pardon?」と聞き返されたりしたら、「あー、自分の英語が通じなかったぁー」とがっくりくる。ニュージーランドの人からすると、「ちょっと聞き取れなかったんだけれど」くらいの感覚でPardon?と聞き返しているのだろうけれど、言われたこちらは、「自分の英語力がないのでネイティブには通じなかったんだ。だから、Pardon?などと聞いてくるんだ。きっと、こいつの英語はまだまだだ、と思っているに違いない。あー、もう英語でしゃべるのは嫌だ!」とまで感じてしまって、かなり落ち込む。そしてPardon? と言われるたびにショックを受けて、Pardon? という言葉自体が嫌いになってしまう。
しばらく時間が経って英語でのコミュニケーションに自信が出てくれば、Pardon? と言われても、「私の言うことちゃんと聞いているの?」くらいに思えるようになるし、自分でもニュージーランドの人にPardon? と自然に聞けるようにもなる。そして、Pardon? にはそんなに大きな意味はないことがわかる。
以前にワーホリで日本食レストランで働いていた女性が、お客さんが店を出るときに「Have a good weekend!」と声をかけたら、そのお客さんがレジのところまで戻ってきて「Pardon?」と言われた、という話があるし、また別の留学生が、ニュージーランドの人の言うことが聞き取れなかったので、Pardon? と言ったら、そのPardon? に対してまたPardon? と聞き返されたなどというエピソードもある。彼は、それを「Pardon 返し」と名づけていた。
英語でコミュニケーションが取れるようになるまでには、いろんなことがあるけれど、みんな同じだし、失敗やショックを笑い話にするくらいになれば、どんどん英語でコミュニケーションが取れるようになるだろうと思う。
SNS