空気を読まないチームワーク

留学生の中には、それぞれ個性を持った人もたくさんいる。

留学をする、という選択をした時点でおそらく他の日本の人達とは違っているのだろうし、そもそも人と違うことをしたり考えたりしているからこそ留学に来るのかもしれない。また、ニュージーランドに留学に来てさらにその個性を伸ばす人も多い。だから、留学生は強い個性の持ち主が自然と多くなる。

日本ではややもするとマイナスとして働いていたその強い個性を、ニュージーランドでの留学中は、ほとんど気にせずに過ごせるという人もいる。なぜなら、留学生に限らず、現地の学生や大人たちの中にも、強い個性を持った人が周りにたくさんいるからだ。日本では「自分は他の人とちょっと違う」と感じていた人でも、留学に来たらその個性が埋没してしまうこともある。そして、「日本よりも生きやすい」と感じる留学生も多いと思う。

そしてその強い個性を持った人たちが、チームとして一緒に仕事や勉強やスポーツをするときは、やはりそれぞれの個性がぶつかり合う。それぞれが自分の考えや意見をチームのメンバーに伝えるし、強く主張する。

では強い個性を持った人たちが集まるチームはうまくいかないか、と言えば全くそんなことはない。まず最初はそれぞれの個性がぶつかり合うが、そこからスタートして、チームとして一つの方向を見出し進んでいく。その過程では、チームのリーダーがしっかりと役割を果たし、それぞれの個性を持ったメンバーたちも、他人の意見や考えを受け入れ、妥協する部分は妥協し、譲れない部分は譲らず、でも最後はチームとしてまとまることができる。

つまり、異なる意見や考えや個性を持ったメンバーたちが集まり、チームとして考え、話し合い、方向を見つけて進んでいく。それが本当のチームワークなのだと思う。

これはチームリーダーやチームをまとめる役割の人は、かなり難しい役割で、その人こそ強い個性とリーターシップが必要だ。逆に言えば、強い個性を持った人たちが集まるチームの中から、強いリーダーシップを持ったリーダーが出てくるのだと思う。

日本では、最初から空気を読んで、それぞれの個性を全面に出さず、意見や考えも主張せず、周りの雰囲気を大切にしてチームとしてまとまることも多いように思う。それもひとつのやり方だろう。でも、これからは、日本の「空気を読む」文化を理解する人たちとだけ関わっていく時代ではないだろう。強い個性を持った人たちと一緒に、仕事をしたり、勉強したり、スポーツをしたりする機会が、必ず誰にでも訪れる。

だから、日本的な「空気を読む」チームワークではなく、個性をぶつけあいながらまとまって進んでいくチームワークも身につけることが大切だ。

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