大人に対する態度も変わる

弊社には長期、短期の高校留学生が多い。ニュージーランドの高校は、ご存じの方も多いかもしれないけれど、13歳あるいは11歳から入学できる、5年制と7年制の高校がある。

だから、弊社の高校留学生達が留学を始めるのは、ほとんどが中学校の年齢で、中には到着時点で小学生の人もいる。小学校高学年から中学生の年齢は一つ違えばその成長はかなり違うし、中学生とは思えないほどしっかりしている人も中にはいるけれど、中学3年生であってもまだ子どもだ。

彼ら、彼女らが留学をスタートさせる時には、ホームステイファミリー、学校の先生、そして弊社のスタッフなど、大人の人達に対する接し方もまだまだわからない人がほとんどだ。日本では大人の人とほとんどしゃべったことがなかった、という人もいる。私が中学生の頃はスポーツの部活に入れば一つ上の先輩とも敬語で話すことが求められたけれど、最近は中学生でもそんなこともないようだ。

だから、小学生や中学生で留学をスタートさせた人達と最初に話をすると、返事が「はい」ではなく「うん」だったり、待ち合わせの時間に遅れてきても平気な顔をしていたり、大人が真剣に話している時に何度も大あくびをしたり、大人の人に何かをしてもらってもお礼の言葉を言わなかったり、そんなことが当たり前のようにある。

弊社では状況に応じて、大人との接し方についても言うべきところはきちんと言うようにしているけれど、まずは留学生活に慣れて良いスタートを切ることがより大切なので、最初は一度にたくさんの注意を与えない場合もある。

けれど、小学生、中学生からニュージーランドで留学をスタートさせた十代の若い人達のほとんどは、ニュージーランドで留学をしている間に、「はい」と返事をするようになり、時間を守るようになり、失礼な態度をしないようになり、「ありがとうございます」と言うようになる。

学校やステイ先でも礼儀や作法に対して注意を受ける場合もあるので、英語での受け答えや態度は変わっていくのはよくわかる。親元を離れて、親御さん以外のいろんな人に注意されたり指導されたりして、成長していく。

でも、英語環境でずっと生活しているのに、日本語での受け答えも、敬語がきちんと使えるようになったり、大人と接する適切な言葉を使えるようになるのが不思議だ。

親御さんの中には、周囲の大人の人達に対する礼儀や作法をきちんと日本から注意している方もいらっしゃるのも一つの理由だろう。

そして、高校留学生達が、ニュージーランドで英語環境で生活をしている間に日本語の敬語も身に付けていくのは、やはり、言葉に以前に「人間として」成長するのも、大きな理由だと思う。人間として成長して、大人に対する態度を身に付けて、そして日本語の使い方にも自分で気をつけるようになるのだと思う。

親元を離れて、いろんな大人の人達に囲まれて十代の生活を送るのも、長い人生の中ではとてもいいと思う。

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