つらいときこそ笑う

留学生を見ていると、いつも楽しそうに笑顔でいる人も多いけれど、少し話を聞いてみると、みんなそれぞれうまくいかないことがあったり、嫌なことがあったり、緊張したり、自信を失ったり、先が見えなかったり、壁にぶち当たったり、いろんなことがある。

先日もまた新しい短期留学生がニュージーランドに到着した。今週の月曜日から学校に通っているけれど、初日はカチコチに緊張していた。でも私や先生達が緊張をほぐそうと、少し面白いことを言ったり、こちらが笑顔になったりすると、彼女も少しニコッとした。ニコッとすると肩の力が抜けて、少し緊張もほぐれたようだ。

また、今年のラグビーシーズンの途中で怪我をして、その後は練習もできない状態のラグビーボーイがいる。でも彼はいつも練習や試合を見学している。体も精神的にもものすごくつらいと思うけれど、普段は穏やかにニコニコしている。

何度かこのブログでも書いたけれど、今Year 13の高校留学生達は、進路の準備で忙しい。日本の大学に出願する留学生の中には、学校が終わって、クラブ活動をして、その後寮やステイ先で、出願準備を夜中までしている人もいる。大学の情報をネットで調べ、募集要項を読み込み、小論文や志望理由書を何度も書き直している。私達もサポートをするけれど、出願期限が迫ってきくると、とてもつらそうだ。でも、そんな留学生達も、普段は笑顔で留学生活を送っている。

みんな見えない所で、緊張したり、我慢したり、頑張ったり、追い込まれたり、悩んだり、いろんな経験をしているけれど、そんな生活でも、笑顔はなくならない。

今年からオールブラックスに選ばれた、Damian McKenzieというまだ21歳のラグビー選手がいる。彼がボールをキックする時、五郎丸選手のようにルーティーンがあるのだけれど、ゴールポストを見てからボールに目を移した後、もう一度視線を上げて、そしてそこで、ニヤッと笑う。誰が見ても明らかに、ニヤッと笑う。

最初見た時は不思議だったけれど、ボールを蹴るときの緊張感を、笑顔になることで払拭しているのかもしれない。

うれしいから笑うことももちろんあるけれど、つらいときに笑顔を無理にでも作ることで心を軽くする、という方法もある。

留学でいろんな経験をする留学生達も、知らず知らずのうちにそんな技術も身に付けているのかもしれない。

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