赤信号は一人で渡っても怖くない

どこかで誰かに聞いた話だけれど、「夜中3時の赤信号を渡るか渡らないか」という問いがあるらしい。

見通しのいい片側2車線のまっすぐな車道を、夜中の3時に歩いて渡ろうとしている。目の前には歩行者用の信号があるけれど、ボタンを押さないと赤のままだ。遠くまで見通せる車道の右を見ても左を見ても車は来ないので、合計4車線の車道を歩いて渡り終わる前に車が来ることは絶対にないとする。

さてあなたは、歩行者用信号のボタンを押して青になるまで待ってから車道を渡るのか?それとも、赤信号を無視して向こう側まで渡ってしまうのか?

信号が青になってから渡るという人は、「赤信号とわかっていてそれを無視して渡るのは、法律違反だ。道路交通法を守ることは当然だ。」と言うだろう。

一方、赤信号でも渡るという人は、「絶対に車が来ないことがわかっているのなら、安全に渡れるということだ。道路交通法は人の安全を守るためにあるのだから、絶対に安全だと思えば渡ってもいい。」と言うだろう。

ルールはもちろん大切だ。法律は守らなければならない。でも、確実に安全を確保できることがわかっている時に、安全を守るために定められた法律に従う必要はあるのか、という問いは、一度考えてみる価値はあるだろう。

これは一つの例だけれど、「ルールだからという理由だけで何も考えずにそれに従えばいいのだという態度」と、「ルールは大切だけれど状況に応じて自分で考えて判断すればいいのだという態度」の違い、と言い換えることもできるかもしれない。

具体的に考えてみる場合、自分の周りにある全ての法律やルールに、いつでもどこでも従っているのか、と自分に問うてみるのがいいだろう。

時速100km制限のところを100km以下でしか運転したことがないのか。職場や学校のルールで、守っているルールと守らないルールはないのか。

もし、時と場合によって従うルールと従わないルールがあるのなら、それはどんなルールで、なぜそうするのか。

そして、単にルールに従っていればいいのか。ルールに従うことを最優先するのであれば、どこでもどんな時でもそうするのか。逆に、ルールよりも、自分の頭で考えて状況を判断することが優先されるのか。

そんなことをたまには考えてみてもいいのかもしれない。

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