手を出さずに我慢する

弊社では留学生達に、留学生活を通して自分で考える態度を身に付けてもらいたいと思っている。

自分で考える態度を身に付けるための第一歩は、どう考えても、留学生自身が自分で考える経験をすることだろう。

そのためにはやはり、周囲の大人達がいちいち細かく指示や意見をしない方がいいのは明らかだ。周囲の大人達から、あれをしなさい、これをするな、これのほうがいい、あれはだめだと思う、などと聞かされていると、自分で考えようとしなくなるのは目に見えている。

周囲の大人達は、ついついいろんな指示をしたり、意見をしたりしたくなる。その気持ちは子どもを持つ親としてよくわかる。若い留学生達は、間違えるし、危なっかしいし、時間がかかるし、なんだかわかってないように見える。だから、いろんなことが全てうまくいくように、事前に指示や意見を与えてしまう。

でも、そんな指示や意見が彼ら彼女らの、自分で考える経験を妨げているのだ。

だから、周囲の大人達がやるべきことは、留学生達が考えていること、やろうとしていることをまずは否定せずに受け入れて、安全は確保した上でいろんなことをやってもらって、その結果から何かを学べるように、彼ら彼女らと一緒に考えることだろう。

一言で言えば、まずは手を出さずに我慢する、ということだ。

そして留学生達を複数の大人の異なる視点で見て、彼らが自ら経験した後に、アドバイスや意見を与える。もっと言えば、アドバイスや意見だけではなく、これはいいとかすばらしいと感じたら、素直に彼ら彼女らに共感する。

そうすれば、留学生達は留学生活を通して、自分で考える態度を身に付けて行くと思う。

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