他人の常識、自分の常識

留学生がニュージーランドに来てしばらくの間は、日本との違いにとても驚き、ショックを受ける。

その違いはいろいろあるけれど、今まで日本で自分が「常識」だと思ってきたことがニュージーランドでは全く常識ではないことも、最も大きな違いの一つだろう。

日本で無意識に口にしていた「そんなのあたりまえだろう」というフレーズが、ニュージーランドでは全く通用しない。「普通に考えれば」とか「みんなそうするよね」などというのも、同様に通じない。

そういう経験を通して留学生達は、場所が変われば常識も全く変わる、ということを身をもって学ぶ。そして、今まで自分が常識だと思っていたことが、実は日本というほんの小さな地域でしか通用しないことを実感し、日本という国が世界の中では小さくて他と違う国であることを思い知り、世界には自分が知らないそして理解できない人達が何億人と暮らしていることの意味が、ほんとうにわかる。

そしてその延長に、「あたりまえ」とか「普通」とか「みんな」などという考え方自体を疑いながら生きていかなければならない、という実感が生まれる。そうすれば、場所が変われば常識も変わるし、時間が違えば常識も違うことも容易に理解できるし、人が一人一人異なる考え方、感じ方を持って生きていることもわかる。

あたりまえで普通でみんながやっていると自分が信じていることは、世界という視点から見れば、全くそんなことはない。それを実感するためにも留学に来るのだと思う。

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